政経同志会 設立趣旨
経済同志会 設立趣意書 のご紹介をいたします。
経済同志会 設立趣意書 前文
日本の輝ける未来、実験と挑戦の70年代の幕開けにあたり、大いなる熱意と歴史的使命感を持って、ここに我々は政経同志会を結成する。戦後における我が国工業社会の目ざましい進歩は、過去の歴史上ほとんどその例を見ないものであったといえるが、歴史は今一大転機期を迎え予想もし得なかった多くの問題に直面している。我々政経同志会は、この人類社会が直面する分岐点ともいうべき70年代に立って明日の日本の可能性を創造すべくその活力と創意を結集し、独自の活動を展開しようとするものである。
基本的姿勢
我々は、今日まで産業社会の推進者の一員として、高度産業社会の実現に可能な限りの努力を傾けてきた。そして今、日本は世界に誇るその驚異的な成長と拡大によって国際社会においても確固たる地位を築き上げようとしている。しかしながら、急速な科学技術の発展を伴った経済社会は一方において進歩の代償ともいうべき諸問題を抱えて様々な社会的な混乱に直面している。そして70年代の新しい社会の建設はこの課題にいかに挑戦し解決するかにかかっている。輝ける明日の日本を想うとき、この時代に生きるものの使命として、人類が直面する問題に取り組むことを決意した我々は、新たな社会が必要とする社会的価値を形成する作業を開始することをここに宣言する。幸い、人類の持続的希求であった人間性尊重を中心にした社会が高度産業社会をそのよき伴侶として真の開花を約束される歴史的な時を迎えている。我々の目ざす社会もまた全ての国民の未来が感動ある豊かな社会で過すことのできる社会、即ち人間第一主義に立った「国家」「企業」「科学」の新しいパランスの実現にある。そして、我々もまた単に産業人としてのみにとどまることなく、新たな知力を創造すべく、文化的・政治的・芸術的に調和のある人間として自己を開発していく決意でいる。その上に立って、さらに高度産業社会を我々の目ざす感動ある社会へ昇華させていくため、創意と計画性をもった政治活動を行なって行きたい。今や、現代が直面する変革に即応できる柔軟で多角的な政治活動をもって、国民を明日の日本の建設へ進んで参加させる政治的土壌を造ることが急務であると考える。政経同志会は、明日の日本の建設の最前線にある産業人として時代的自覚と決意を持った者達の知的連帯の場であり、感動ある社会づくりを志す同志的結合体である。
活動方針
国民社会全体の立場に立って、あるべき明日の社会について、先見性をもった新しいコンセンサスを創造し、国家・企業・国民に向けて提起していく括動を行なう。そのために、行政・企業・大学・研究機関等の専門家集団と連帯し、高度産業社会が必要とする知力を包括的に探索し、高い水準の知的作業を組織化することによって国家施策に反映させる。さらに、国民の自由な政治への参加を図る様々な形態の機会を提供し、幅広いコンセンサスの創造に努力する。また、我々の主張と方向を同じくする団体ならびに個人との間に、積極的な同意を形成し、連帯して政治活動を行なっていく。
以上、政経同志会はその独自の活動を展開すべく各分野の英知を集めここに発足する。
1970年1月